鈴姫伝説
「今日魔物はいないの? お~いミューマー……」
さっきの質問をもう一度口にする。
するとミューマはやっとこちらを向いた。
「今のところは~……」
いない……のね。
みんなだらけすぎな気がする。
もぉ……。
あたしは独り、ため息をついた。
「やっと、ナディの力のおかげで簡単に影の世界に行けるようになったんだから、行ってみようよ……。
なんか、分かるかも知れないし」
「そうだな」
ナディは身体を起こすと、素直に頷いた。
「……私も賛成~。
こっちの世界、暑いんだも~ん……」
ゆきなは、パタパタとウチワで顔を扇いで、とわざとらしく言う。
影の世界は冷蔵庫みたいだもんなぁ……。
その辺は同意。
ミューマも、頷いた。