鈴姫伝説
ナディの瞬間移動についていける奴はいないよ!
──パキ!!
けれど、ゆきなの氷も永遠には続かない。
「くっ……!」
わずかにそれは、軋み始める。
「くるよ!!」
ゆきなの氷を突き破った魔物の手がムチのようにしなって、あたしたちを潰そうと伸びてくる。
ゆきなが叫ぶとナディは眉をキッ!と上げて、右手をサッと横へ流した。
「グオォオッ!!」
自在に動いていた腕はピタリと止まっていた。
凄い……。
ナディが操ってるみたい。
こんなことも出来るんだ……。
あたしはそれを横目に、封印の鈴を鳴らした。