鈴姫伝説
閉じていた目を開けるとそこはいつもの見慣れた風景。
ナディがあたしたち全員が着いたか確認するように辺りを見渡して言った。
「アイツはまだいないようだな」
「ねぇ、私ずっと考えてたんだけど……」
ゆきなが突然声を大きくした。
「ん?なあに?」
「あのマントの人……
千の仲間……だと思うの……」
「なっ……」
どういうこと……?
ゆきなは千を疑ってる。
あのマントの人は明らかにあたしたちの敵。
やっぱり信じていないんだね……。
それだけでズシリと重いものが胸の奥に落ちてくる。
途端に頭の血の気がスッと引いた。
「どうして……そう思う……の……?」