鈴姫伝説
封印した魔物の鈴をビンには入れず、地面の上に置いた。
それをあたしは少し離れた場所から見守る。
大丈夫。
ワナは完璧だ。
頭の中で3人で決めた作戦をリピートする。
鈴の周りにはゆきなの作った霜柱がある。
それを踏むとナディがマントの人をあたしのもとへとワープさせるのだ。
「そこをあたしが捕まえる……」
作戦を口にすると緊張が高まった。
手にかいた汗はしっとりとまとわりついていた。
これで失敗したら……と怖くなる。
この先の戦いのことが決まるんだ。
スカートで手の汗を拭いた。
大丈夫。
何度も心の中で繰り返し、自分に言い聞かせる。
あたしには仲間がいる……。