鈴姫伝説
──パキッ。
来た……。
霜柱が踏まれた音。
慌てて鈴の方を見る。
その瞬間、シュゥンとあたしの前に人影が現れる。
「はぁぁっ!!」
回し蹴りをかます。
その人は防御する間もなく、簡単に吹き飛ばされた。
また、前と同じ黒いマント……。
そのマントはパタパタと激しくはためく。
回し蹴りの反動であたしは横に一回転し、そのままマントの人へと駆け出す。
「援護する」
「準備はいいよ」
隠れていた二人もサッと姿を現す。
ゆきなは力強くジャンプすると掲げたその両手に氷を出現させた。