鈴姫伝説




つまりそれはもう、身動きが取れないということ。



あたしたちは3人でマントの人を取り囲んだ。



「……鈴を返して」



手を伸ばす。


しかし相手は何も言わず、ふい……と顔を背けるばかりだ。



「せめて、そのフードを外せ。


顔を見せろっ!!」



イラついているように見えるナディはムリヤリ相手の動きを能力で止めると、フードを強引に取り去った。




流れるサラサラの髪。




え……!?




しかし、それは前に見た黒髪ではなかった。





「誰……?」





見たことのない顔。



そして髪は肩に着くか着かないかくらいの長さ。



蜜柑のように明るいオレンジ色だった。



今、この人が持っている鈴と同じ色……。




ていうか、メチャクチャキレイな顔!!



モデル?モデルなの?



全てが整っているその顔はこの世のものじゃないみたい。




あたしの周りの人、美形ばっかだよ……。







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