鈴姫伝説

金の瞳の彼


はぁ……。

終わったのか。

手の中の鈴を見つめた。

無事に退治を出来たことに、思わずため息が出てしまう。

さっき降り注いだ光はもうすべて消えてしまって、また森の中はどんよりと暗くなっている。



「疲れてるのかミュ?」



パタパタと白い毛を汚している土を払い落としていたミューマが顔を上げた。



「ううん……」



そう応えたけれど、本当は心も身体もすっかり疲れきっていた。

……これからあたしは、ずっとこうして戦っていかなきゃいけないのかな……。

そう考えると心は、重いままだ。



「そろそろ帰るミュ」



なんとなく察したのか、ミューマはほかには何も言わなかった。

重い足をとにかく前に進ませる。

今日はもう休みたい。



「━━っ!!」



そのとき、冷たい風が髪をさらった。


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