鈴姫伝説




「どうぞ」


エクが招き入れてくれた家は見かけよりもなかは大きかった。



長い渡り廊下を4人で進む。



しばらくすると、大きな部屋の中で特に大きい一つの座敷へと着いた。



スッとエクは障子の横へ座ると、誰かに向かって話しかける。


誰か、いるのかな……?



「兄様。

今、入っても宜しいでしょうか。

……はい、客人です」



2、3言、会話をするとエクはあたしたちに部屋に入るよう、促した。



「あの……その前にちょっと……変身解いてもいいかな?


この格好じゃ、恥ずかしいし、鈴の力はそのまま使えるから……」




「私も!」


ゆきなも衣服の裾を引っ張っている。


短いからね……ゆきなの服。



「そうなのか?

まあ、好きにしてくれ」



エクは何回か瞬きすると、真顔になって、頷いた。



けれどあたしたちは返事を聞く前に変身を解いていた。



戦ってるときは他に人がいないからいいけど、誰かと会うとなると恥ずかしい。



だって、こんな服、他じゃ見たことないよ!?




キラキラと光が煌めくなか、エクは障子に手を掛けた。




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