鈴姫伝説




「失礼します」


「あ、ちょっと待った」


「今度はなんだ」



また部屋に入るのを阻止してしまったナディをエクは険しい顔で睨み付ける。



「いや、私の姿はその……お前の兄には見えるのか?」




そう。



ナディの姿は特別な人じゃないと見えない。



霊力を持っていて、何か鈴姫に関係のある人にしか。



ん?


あれ?



じゃあ、なんでエクにはナディが見えるの?



鈴のことも知ってたし……あの
“結界”とはなんだったのだろう。



たぶんだけど……。




あたしたちに関係のある人たちだ……。



その兄様も何かを知っていそう。




「さぁな……」



そう言うとエクは障子を開けた。




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