鈴姫伝説




「「「「???!」」」」



あたしたちの頭のなかはハテナが元気に躍り回っている。



どういう意味……ですか?



あたしの兄!?



こんな美形が?



あり得ないよ!!





そんなあたしたちとは裏腹に銀さんは平然と言う。




「エク、席を少し外してくれないか?」




エクは納得のいかない顔をしていたが、銀さんに強く促されるとサッと部屋を出ていった。




部屋にいた皆が静かにエクを見送った。




「それで、どういうことなんですか?



あなたがお姉ちゃんの兄って……」




ずっと気になっていたのか、エクが部屋を出るなり、ゆきなは興奮気味に言う。




「あたしも……意味が分かりません……」




どういうこと?




全く分からないし、思い出せない。




あたしに兄なんていないよ……。



それに、“あたしの兄”って……ゆきなとあたしの、じゃないの?




おかしくない?




思考が絡まり始めて、銀さんのキレイな銀色の瞳を見つめた。







< 209 / 511 >

この作品をシェア

pagetop