鈴姫伝説
いや、覚えてる。
ずっと、ずっと……凄く昔のこと。
とても優しくしてもらった……。
大好きな、優しくて、強くて美しい兄様……。
「覚えてる? 思い出した?」
ニコッと微笑む銀さん。
あぁ。
とても懐かしい。
ずっと、ずっと、この笑顔が見たかった……。
「は……い……」
また、はっきりと分かったワケじゃない。
でも、心が、身体が、この人はあたしの兄様だって、ずっと会いたかったって叫んでる……。
「でも……でも……エクは?
あたしの姉妹なんですか?
それに銀さんは今、なぜ生きてるの……?」
混乱で敬語がぶっ飛んでしまった。
銀さんは、そんなあたしを見て、少し眉を下げた。
「やっぱり、そそっかしいところは変わってないね。
ゆっくり話そう。
まずは僕がどうして生きているかということについて……」
銀さんの話の内容はこのような物だった。