鈴姫伝説





そんなゆきなに銀さんはフッと笑い掛けた。



「本当、ギリギリだったよ」



「やっぱり、銀さんは霊力を持っているんですね」


「まぁね。


だから、その天井の所にいる紫色の髪の女の子も見えているよ。


……隠れているのかい?」





あっさり見つかってしまったナディは目を見開いた。



「見えていたか……」



そしてすぐ、ムスッとした表情になってしまった。



もう、すぐフキゲンになって……。



怒らなくてもいいじゃない。



銀さんはというと……。





「これが鈴、ね。 久しぶりに見たよ」



興奮気味にあたしの手首のブレスレットを眺めている。



なんだか、さっきのような大人の雰囲気とは違い、子供みたいだ。



「あぁ、そうだった。


あなたにやすらぎの鈴を聴かせようと今日、来たんです!」




本題を忘れかけていたあたしは、慌ててブレスレットを外し、銀さんに見せた。





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