鈴姫伝説
「確かに……エクの願いは銀さんを治すことだったし……」
ゆきなが険しい顔で腕を組んだ。
なら、エクたちは敵じゃないし……。
「ならさっ!」
突然いいことを思い付いてしまった。
「エクたちを仲間にしない?」
「!!」
「まぁ……な」
「戦力が増えるね。 僕も手伝おう!!」
「じゃあ、決まりっ!!」
さらに味方が増えたっ♪
心強いや。
「あ、でも、エクはどうだろう……」
そっか……と皆も考え込む。
本人の意思を確かめてからじゃないとね。
勝手に決めちゃ、悪いし。
でも、あたしはエクと仲間になりたいよ……。
「それは、あとでエクに聞こう。
それより、すずか。
二人で話したいことがある。
すまないが、二人とも、エクのところへ行ってくれないか?」
突然銀さんは真顔になると、頭を下げた。
「そ、そりゃもちろんです!
行くよ!!ナディーン」
「あ、あぁ」
ゆきなに引っ張られ、ナディはあたしの横を通っていった。
その瞬間。
ポソッとあたしに呟かれた言葉。
ナディはさっさと部屋を出ていった。
どういうこと?
分かんない。
あたしはスカートを握りしめた。
手の中で制服がシワになる。
どういうことだろう。
グルグルと疑問が渦巻く。
『気をしっかり持て』って。