鈴姫伝説





「理由もなく、いなくなったすずかを探して、探して、探し続けた結果……ああなってしまったんだ……」




あたしのいない世界など、なくなってしまえばいいと。


千は望んだのだろう。


なんともいえない罪悪感に襲われる。




「だから、すずかが現れたときは驚いただろうね」




「あ……!」




「だから初めて千と会ったとき、
『お前が鈴姫が』って言ってたんだ……」




ゆきなが昔の事のように言う。



そうだ。



あのとき千は、あたしが鈴姫の生まれ変わりって知って、驚いてた……。



あたしが生まれ変わることを知らなかったってことだよね。



千が世界を滅ぼそうとしているのは、あたしがいなくなったから。



でも、あたしは再び現れた。



もう、世界を滅ぼす理由はない、よね……?



でも、なぜ千はまだ世界を滅ぼそうとするの……?







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