鈴姫伝説
──その時。
「あらあら、また、お仲間……?」
女の人の声が部屋に静かに響いた。
この声は……。
「女神様……!」
なんで、ここに?
声が聞こえたのは、あたしの手首から。
そう、女神様にあのとき貰った電鈴(でんりん)からだった。
電話の変わりを果たしてくれる、便利な鈴のこと。
そこから、妖艶な声が漏れてくる。
『あなたが、すずかの兄?』
「……えぇ、あなたは?」
『私は、この世を治めるもの。
女神……と言われているわ……』
「…………」
銀さんは表情を変えず、あたしの手首の怪しく光る鈴を見つめた。