鈴姫伝説
『ごめんなさいね。
私、あまり呪文が上手くなくて……。
それに、詳しくは知らなかったから、すべてをすずかに思い出させることは出来なかったのよ』
そうだったのかぁ……。
女神様でも万能ではないんだね。
『ごめんなさいね。
私が未熟なばかりに……』
「いえ、いえ! 大丈夫ですよ。
銀さんのおかげで、思い出せなかったことも、なくなりそうです」
「僕は、そういうことは、専門家だからね」
銀さんはまた上品に微笑んだ。
よかった……。
さっき、ただならぬ雰囲気が、あったから……。
少し、怖かった……。