鈴姫伝説
さらなる敵、味方
『何か困ったことがあったら、いつでも聞きにきてくれ』
銀さんの声が頭の中でリピートされる。
銀さんの家からの帰り道。
いろんなことを思い出し始めたせいか、足取りが重い。
そんなあたしの隣では、新しい仲間の登場に盛り上がっている二人がいた。
「お前、何が使えるんだ?
というか、お前は人間か?」
「仲間なんだよね?
そうだよねっ!
よかったぁ、また友達増えたよ~!!」
あまりの勢いに、エクは少し迷惑そうにしている。
「まあ、まあ、二人とも。
まだ時間はあるし、ゆっくり……」
二人を落ち着かせようと、エクの前に出た。
──ゴウッ!!
「きゃああっ!!」
「っ……!」
「なん、だっ!?」
突然強風があたしたちの間を駆け抜けた。
息が出来ない。
目も少ししか開けられない。
いきなり、なんなのっ……!