鈴姫伝説
だが、またフッと人影は蜃気楼のように消えて……。
「お前が鈴姫か? そんなワケあるまい」
冷たい声がすぐ耳元で聞こえた。
「あうっ……あっ……!」
その声が誰のものか、気づく前に脇腹に凄まじい力が食い込み、あたしは数十メートル横へと飛ばされた。
「くぅっ……」
ズキン、ズキンと殴られた場所が痛む。
反射的に横へと飛ばなければ、
“痛い”どころではすまなかっただろう。
誰なの?
もしかして……。
千の、仲間、なの……?