鈴姫伝説
あたしは目を閉じて、霊力を集中させた。
身体を光が包むところを想像する。
すると、しゅわぁああぁあぁぁ、と音がして身体から光が溢れ出した。
あっという間に黄金の淡くて綺麗な温かい光が身体を覆った。
ぽんっ、ぽんっ、と光が弾けていく。
髪が色を黄金に変えながら、風にたなびかれ床に付くくらいまでのびて……。
頭の左右に、少しの重みを感じた。
それは、から……ん、と心地よい低めの音を響かせた。
目を開ければ、黄金の髪と赤い飾りが絡まるようにして戯れている。
この瞬間は、なんとも言えない気持ちに包まれる。
何か、満たされたような、落ち着くような……。
あたしは、変身を終わらせると、ミューマの横に並んだ。
歩くと、足元でコツコツと高い音がなり、静かな部屋にやけに響いた。
「……いくミュ!!」
二人で窓を押すようにして開けると、柔らかな風が頬をくすぐった。