鈴姫伝説
マントの人は、千と親しそうだ。
それを見て、あたしの心はチクンと痛んだ。
このニブイ痛みは、なんなの……?
「やはり、お前は鈴姫らしくない。
このガラナには勝てないだろう」
ガラナ……。
これがこの人の名前?
聞いたことがあるような……。
でも、もやもやしていて分からない。
今、あたしの目の前に千がいる。
あたしが、止めるんだ!!
「千!!」
叫ぶと彼の視線が再びあたしに戻る。
「もう、やめて!
あたしはこんなこと望んでない!!」
「なん、だと?」
彼の顔に疑問が広がる。