鈴姫伝説
背に、足に、何かが当たっている。
うわあぁああッ!!
なに、なに、なに!?
軽くパニック状態に陥ったあたしは、手足を動かした。
「大丈夫」
「姫様はわたくし達が守りますわ」
二つの声があたしの耳に届いた。
ふわりと身体が浮いて、ようやくあたしは空を飛んでいることに気がついた。
そして、目の前には知らない男女二人。
び、美形……。
ん?
あれ、もしかしてこれ……お、お姫さま抱っこされてる!??
あたしを抱いている男の人は、あっという間にナディのもとへと飛んだ。
「……久しぶり」
「ナディ、知ってるの?」
なぜがナディはブスッとした顔をしている。
なんで、不機嫌?
男の人に地面に下ろしてもらうと、フラリと身体が揺れた。
「大丈夫か」
「……っ!!」