鈴姫伝説






あたしがいくらいっても、あなたの心には届かなくて。



そう思うと、再び涙が流れてきた。




「すずか、ちょっといいか?」



あ、ナディ。



ナディが寄ってきたので、隠すように涙を拭いた。



涙見られたら、心配させちゃうもんね……。



笑顔で頷くと、彼女の後ろに控えていた男女が突然膝まずいた。




「こいつらを、紹介しよう」




ナディの声を合図にするかのように、二人組は口を開いた。




「「鈴姫様。



我らはカレンデュラ王国の戦士。



あなた様から生まれしものです。



鈴姫様の御身は、私たちが守ります」」




ふぇ?



戦士……?



あ、もしかして、ナディが言ってた人たち?



あたしからできたっていう……!



けど、どうやって現れたの?



16歳くらいの女の子を見つめていると、黄緑色の瞳と目が合ってしまった。




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