鈴姫伝説






「あたしも、戦うから」




「え?」




「あたしも一緒に戦うから」




皆だけになんて、まかせられないよ。



あたしは、守られてるだけじゃ、イヤなの。



一人だけ逃げたくない。



あたしも一緒に戦うんだ。



だって、あたしは強大な霊力を持った、不老不死の鈴姫なんだから。




「分かってるよ」




ナディが言った。




「皆、分かってる。



すずかが一緒に戦おうとするなんて。



守られてるだけじゃ、ないって。



だって、すずかは私達の主だ。



だから、私達は命を懸けてもお前を守る」




その言葉は優しく胸に染み込んで、心を温かくしてゆく。




「……ありがとう!!」




あたしには、こんなにいい仲間がいるんだね。



こんなにも、力強くて、頼もしい仲間たちがそばにいる……。




涙で視界がぼやけた。




「もう、お姉ちゃん、泣きすぎ。



涙腺大丈夫?」




「うる……さい……っ!!」




一言多いよ!ゆきな!



せっかく、人が感動してたのに……。



でも、それがゆきなの照れ隠しであることは、姉であるあたしにはバレバレだった。



もう、可愛くないんだから……。



そんなことを思っても、やはり妹の言葉は嬉しかった。



ぐしぐしと手の甲で、溢れては、こぼれ落ちていく涙を拭った。




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