鈴姫伝説





あれ……?



どうして?



思わず動きを止め、あたしはまじまじと自分の手の甲を見つめた。



さっきの戦いであたしの身体は、切り傷、擦り傷ばかり。



手の甲にも、大きな切り傷があったはず。



なのに、そこに傷らしきものはない。




「どうして、ないの?」




「それは、わたくしの力ですわ」




「え?」




どういうこと?



アンゼリカが立ち上がった。



彼女の服に思わず釘付けになってしまうあたし。



彼女の服は、女王らしく、フワフワのドレスだ。



でも、普通とは違う。



白く細い肩や腕は、剥き出しになっている。



さらに、ドレスの丈は、膝上だ。



露出、多くない?



これ、ドレス?



女王として……いいのかな……。



スカートじゃないの?



そのドレスがフワリと揺れた。





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