鈴姫伝説




久しぶりに、一人。



最近はずっと戦いばっかりしてたからなぁ……。



一人でいることがなかったかも。



あたしは寂しくなった部屋を見渡した。



あたし以外に動いているものは……。



蒸し暑いなか、ゆっくりとブウンブウンと音を立てている扇風機。



開いた窓から吹く風に揺られている淡い緑色のカーテン。



そして、白いソファの上には……。




「あれ……?



ミューマ?」




そこにいるはずのミューマがいない。



どこ行ったの!?



いつの間に!?



まともに動けなかったのに……!!




「ミューマ!!」




あたしは灼熱の外へと、飛び出した。




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