鈴姫伝説





「!?」





突然、景色が回った。




「???!!」




気がつけば、あたしはベットの上にいた。



後頭部を焦げ茶の髪ごと掴まれ……。



最後に見えたのは、瞼の閉じられた、千のキレイな顔だった。




「…………ふ……」




そしてやっと、彼の唇があたしの口をふさいだことに気づいた。




「っ……!!」




抗おうとしても、身体の力が抜けてしまい動けない。



頭の中はぐちゃぐちゃ。



とても焦っているのに?あたしの身体は素直に抱きすくめられてしまっていた。



やっと唇が解放されたと思ったのに、彼の腕はあたしの背に回されたまま。




「ッ!?」




彼の吐息が耳にかかった。




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