鈴姫伝説





わあぁぁッ!?



もう、どうなってるの?



ワケ分かんない。




「すず……」




甘くて切なくて、愛しさの混じった声。




「すず……」




彼がもう一度あたしの名を呼び、腕の力を強めた。



胸が締め付けられる。



……いや、あたしじゃない。



彼が愛しいのは、あたしの中にある彼女の面影。




そう。















昔の鈴姫……。














あたしじゃない。



彼が好きなのは。



そう思うと心がぎゅう、と締め付けられた気がした。



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