鈴姫伝説

ググググッと木が軋み、あたしはそこに留まることができた。

良かった……。

まだ頭がくらくらしてるけれど、動けない事もない。

あたしは手を離すと、地面に降り立った。

魔物は、唸ったまま、こちらの様子を伺っている。



はぁっ……。

意識が飛ぶかと思った……。

魔物、小さいからって嘗めてた……。

見掛けで判断しちゃ、ダメだ。


呼吸をすると、殴られた脇腹が僅かに痛んだ。



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