鈴姫伝説





あたしは、ロイルを説得し、手を離してもらうとベットを降り、ソファに座った。




「大丈夫か? すずか。



……話はロイルから聞いた」




ナディ……。



ナディは少し、表情が暗い。



ほかの皆もそうだった。




「うん……。



ミューマが……いなくなっちゃって……」




「ミューマ……」





小さなゆきなの声が、沈黙の中に響く。




「あ……たしのせいで……いなくなっちゃったんだ……。



あたしが、ちゃんと見てなかったから……!!」





「そんなことないよ!」




「姫様のせいじゃありませんわ」




「そんなに思い詰めるな……」




「でも……!」




それでも、あたしが見てなかったから、いなくなっちゃったのは現実なんだよ……。




だから、今ミューマはいないじゃない……。





「落ち着け、すずか」




「ナディ……」




「関係があるか、分からないが、私達はカレンデュラで調べものをしてきた。



その事を話したい。



聞いてくれるか?」




そう、だよね。



まずは落ち着かなきゃ……。




あたしは、コクリと頷いた。






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