鈴姫伝説
目が覚めると、頭がガンガンと痛んでいることに気づいた。
「大丈夫ですか?」
「すずか……」
ナディとアンゼリカが心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
大丈夫だよ、と二人に目で伝え、笑いかける。
何だろう。
あたしまた、とても、とても大事なことを忘れている気がする。
この焦りは何?
何かが頭の中で引っ掛かる。
「あたし、女友達なんて……いた……?」
「はぁ!?
なに言ってるの、お姉ちゃん」
ゆきながあり得ないと言う風に、あたしを見た。
今、あたしなんか言った?
無意識のうちに、なんか呟いたような……。
「女友達なんて、中学校にいっぱいいるじゃん」
あ……。
「そーじゃなくてね」
過去の話。
ずっと、ずっと前。
あたしの初めての友達は千。
女友達は……?
目を瞑って、記憶の中を探る。
千のあとにできた、二人目の友達。
あたしの、初めての親友。