鈴姫伝説

身体が、ピクリとも動かない……。

あたしの身体を魔物は楽に持ち上げる。

僅かに目を開けば、紅い瞳が映った。

そのとき、

──チャリン……。

左手のところでブレスレットが揺れた。

あ……。

気づいたときには、もう遅い。



ブレスレットはあたしの手を離れ、ゆっくりと落ちて行く。



その瞬間、身体が強い光を発する。


『解』


光が弾けたとき、身体の力が抜けた。
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