鈴姫伝説
そして、ゆっくり動けないあたしへと歩みよってくる。
『ま、てっ……!』
―パキィイィイン!
再びあたしは氷の刃を飛ばす。
渡して、たまるか……!
だが、紙一重で女性は避けてしまう。
そして、あたしのもとへと来ると
あたしの肩の辺の服を掴んで自分の方へと引き寄せた。
『もう、伝説の鈴の場所は知っている』
!?
しっかりと隠したはず!!
渾身の霊力を込めて、千と二人で人目のつかない場所へと隠したのに……!
こいつは……強い。
カッ……と頭に血が上った。
あげない。
渡さない。
お母様を殺したやつなんかに。
あたしが、守り抜く。
この命、枯れ果てても……!
でも、どうやって?
脳をフル回転させる。
そうだ。
あれなら!