鈴姫伝説




新たに思い出したことを四人に話した。



四人は静かに聞いていた。



その静寂が、余計にあたしを不安にさせる。



たぶん、みんなも思ってるよね。



あの、女の人は誰か。



顔は見えてなかったし、今のところ記憶にもない。



なんか覚えてたらよかったんだけど……。


残念なことに、あたしの記憶の片隅には、彼女の記憶はなかった。



ほんとう誰なんだろう。




「誰なんだろう……」




「ん?


あの女性のこと?」




「うん」




やっぱりゆきなも考えてたんだね……。




「すずか、分からないか?



なんでもいいんだが」




ナディが優しく言って、あたしを覗きこんだけど、あたしはゆっくりと頭を左右に振った。



ごめんね……。



でも、ひとつ気になることがある。




合っているのか、確証はないけれど……。














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