鈴姫伝説
「でも、まだ本当に決まった訳じゃない。
どこに敵が潜んでいるか、分からないんだぞ!?」
そうですね。
ごめんなさい。
ナディにすごい剣幕で叱られ、あたしは少しへこんだ。
そのとき、変な視線を感じて、辺りを見渡した。
「すずか……」
「ろ、ロイル……何?」
びっくりしたよ。
ロイルの視線はあたしの左手首に付けた、ブレスレットへと注がれている。
「この水色の小さな鈴……」とロイルはあたしの手首を掴み、まじまじと見つめる。
「なんだ?」
「あ、それ!」
あたしが答える前に、ゆきなが声を上げた。
「早く、それ、外して!!」
「え?なんで?」
どういうこと?
「それ、女神様が盗聴できる鈴!!
天界行ったとき、貰ったもの!」
「あっ!」
あたしは慌てて鈴を外した。