鈴姫伝説
「これ、どうしよう!」
聞こえないように、小声で喋る。
わーっ、わーっ、すっかり忘れてた!
この鈴の存在!
「私に渡せ」
「え?
ナディ?」
ナディは電鈴(でんりん)を受けとると、そこに霊力を送った。
-バチバチッ!!
スパーク音が響き、光が部屋に広がると電鈴は粉々にくだけ散った。
「これで大丈夫だろう」
「…………」
不安だけど……。
でも、ひとまず大丈夫かな……。
「そーいえば、エクは?」
「あれ?そういえば」
起きてから見てないや。
「ずっとここにいた」
「のわぁっ」
突然、勉強机の椅子の上にエクの姿が現れる。