鈴姫伝説
迷い
「とにかく、そういうことだ。
なにかあったときのために、まずは……伝説の鈴を見つけることだな」
ナディの提案にあたしたちは頷いた。
「なら、鈴探し……ですわね」
「魔物を倒しに行くってことだね」
アンゼリカの言葉にゆきなが賛成する。
鈴探しか……。
今、あたしにできることは、そんなことしかない。
「そうだね。そうしよう」
「とりあえず、影の世界に行こう。
魔物がいれば、私達にだって分かる」
「オレは行くが……魔物を倒し、鈴を手に入れるなら、人数がいた方がいいと思うのだが……」
そう言いながら、エクはさりげなくロイルを見る。
「あぁ、俺も行く。
すずかが行くから」
へ?
あたしが行くから、ロイルも行くって言った?
どういう……こと……?
「…………あーら?
もしかして……」
言っている意味が分からなくて、首をかしげていると、アンゼリカがニヤニヤとあたしとロイルを交互に見た。
「な、何よ」
「いえ、別に」
って、言いながら、まだニヤニヤしてるし!
もう、なんなの?