鈴姫伝説





-シュワアァア。



目映い光が視界を眩まし、目を再び開けたときには、魔物は浄化されていた。




「鈴、ひとつゲットだな」




ナディが鈴を拾う。



これじゃ、まだまだ足りない。



もっと集めなきゃ。




「「あ」」




そのとき、二つの声が重なった。




それは、愛しい人の声。


















千と、あたしの声だった。








その後ろに、もうひとつ人影がある。





それは……。





「千……ガラナ……。



なんで、いるの?」




ゆきなが一瞬で敵意を剥き出しにすると、彼らを睨み付けた。





あたしは正直……真っ直ぐ千の顔が見えなかった。




この前、あんなことがあったから……。




気まずくて……直視できないよ……。





「その鈴はいただこうか」




冷たいガラナの声。




相変わらず、光と温もりのない瞳。




もう、もとには戻らないの?




< 352 / 511 >

この作品をシェア

pagetop