鈴姫伝説
千の片目には、エメラルドグリーンの光が燃え上がるように灯っている。
千……。
この光が目に灯っているとき、千は、別人のようになってしまう。
あたしは、千を信じたい。
深く息を吸うと、あたしは心を硬くした。
「ガラナ、千。
ちょうど話したいことがあったの。
出会えて嬉しいわ」
あたしが言っても、二人は氷のように冷たい目で、あたしを他人を見るように見下ろすだけ。
全てをさらけ出し、あたしは二人を助ける!
「ねぇ、教えて。
あなたたちの真の黒幕は、
女神様よね」
ハッと二人の顔に、再び感情が甦った。
それは、困惑と焦り。
ほかの皆も、まさかあたしが直接聞くとは思っていなかったのだろう。
何かを言いかけて、口をつぐんだ。
「…………」
千とガラナは、表情こそ少し変わったものの、何も語らない。
まあ、答えてくれないだろうと、思っていた。
想定内だったってわけ。
でも、あたしは負けない。