鈴姫伝説
あたしは笑った。
昔のあたしを思い出してもらえるように。
今度こそ、二人はみてはっきりと分かるくらい、動揺していた。
千の、目の光が
消えていた。
前髪で隠れたガラナの顔には、明らかな迷いがあった。
けれどそれは、一瞬で……。
その赤い唇がニヤリと不敵な笑みをこぼした。
「ふ……ふふ。
そんなことない。
あんたになにが分かる。
私は、私ぁっ!!」
突然、声を荒げたガラナは、全身に力を入れ、いとも簡単に蔦を引き裂いた。
「ぐあ……ぁッ!!」
蔦を傷つけられたエクが、痛みに悲鳴を上げる。