鈴姫伝説
『……か、すずか』
あれ?
誰かがあたしを呼んでる。
初めて聞く声なのに、すごく馴染みのある声。
『すずか』
『え?』
ぼーっとしてたら、目の前に、人影が現れた。
茶色の長い髪、同じような色の瞳。
袿を着ていて、気品ある雰囲気。
もしかして、あなたは。
『す、鈴姫……!?』
『そうよ、はじめまして、すずか。
いきなりごめんなさいね』
『いえ、いえ、そんなことないです……』
ニコリと笑う彼女につられ、あたしもペコペコと頭を下げた。
『心配できてしまったの。
すずか、大変だったわね……。
どうしても、伝えなきゃいけないことなの』
彼女は急いでいるようで、次から次へと、話を進めていく。
『千と会ってみて、なにか思わなかった?』
『千……?』
『そうよ。
千の性格とか、変わっていたでしょう?』
そうだ。
千は、片目にエメラルドグリーンの光が灯っているとき、別人になってしまう……。