鈴姫伝説
『千を、信じてあげて……』
『……っ!』
その声は、伝説の姫様じゃない。
千に恋した、小さな、強いけど、儚いお姫様だった。
さぁっ……と鈴姫の身体が光の粒子となり、薄れていく。
『鈴姫っ!!』
『もう、お別れね……。
すずか……彼を信じてあげて……。
それだけで、未来は変わってくる。
それと、伝説の鈴のことだけど……
鈴の力は、奇跡の力なの。
自分を、彼を信じて……』
そう言うと、彼女は完全に消えてしまった。
再びあたしも、深い意識の底へと落ちていった。