鈴姫伝説
濃い霧の中、雲の上に純白のお城が見えてくる。
ここは高度が高いけど、酸素がある。
豪華でどこか重厚感のある門をくぐると、ひとつ大きな深呼吸をした。
門番は、珍しくそこにはいない。
それがかえって怪しさを醸(かも)し出している。
もしかして、罠?
一歩踏み出すと、カサッと乾いた音がして、天界の地面に足がついた。
あたりを見渡す。
なにかが……違う。
前に来たときと、雰囲気が……。
そのとき、サワリと何かが頬を触れた。
「何!?」
慌てて構え、振り返るけど、そこには何もない。
誰かが通った気がしたけど……気のせい?
-バチバチバチバチッッ!!