鈴姫伝説
ッッ……。
頭が割れそうに痛い。
目を開くと、わずかな光が差し込んでくる。
おもむろに身体に目をやると、変身はなぜか解けていて制服に戻っていた。
あたしは、宙に浮いていた。
正確に言えば、浮いている光の玉の中にあたしは閉じ込められていた。
ここはどこ……?
光の膜の外は、薄暗く、コンクリートで塗り固められている小さな部屋。
なんでこんなとこにいるの?
そして、記憶がフラッシュバックする。
あたし、誰かに襲われて……!
-バチィッ!!
「うぁっ……!」
慌てて膜を叩くと、あたしは弾き飛ばされた。
ビリビリと身体が痺れる。
なに……これ……。
「っ…………」
声が出なかった。
身体が痛むからじゃない。
あたしはもしかして……捕らえられたの……?
まだ、まだ、なにもしてないのに。
あたしを捕らえたのは……。
-コツン、コツン。
そのとき、高い音が聞こえた。
この音は、ヒールの高い靴を履いてる人の足音……。
「女神……様……」
「ひさしぶりね、鈴姫」