鈴姫伝説
-バチッ。
「はっ?」
今、何かが弾けた?
そんなことを考えているうちに、あたしは変身していて、あたしの周りの膜は消え、コンクリートの部屋が崩れ落ちていく。
「どうなってるの……?」
霊力が使えない部屋が壊れていく様を、ただ、呆然と見つめる。
あたしが、地面に降り立つと、コンクリートの壁の穴から誰かが入ってきた。
「……鈴姫様、逃げましょう」
「誰?あなた」
「……言えません。
早く、気づかれてしまう」
黒いマントを着た女性は、どうやらあたしを助けてくれたらしい。
この人……さっき、あたしを見張ってたよね。
敵……じゃないの……?
その女性は、隠れながら「こっちです」とあたしを連れていってくれる。