鈴姫伝説
なんだろう。
この人、どっかで見覚えが……。
たしか……。
「あのっ」
「シッ」
勇気を出して女性に話しかけると、静止された。
ちょっ、何?
「あれをご覧ください」
女性は小声で言いながら、ドアの影から部屋の中を見た。
そこは質素な部屋って感じ。
大理石の床がツヤツヤと輝いていて、とても広い。
この部屋だけで、家一個分はあるんじゃない?
「あっ」
思わず息を呑んだ。
嘘……。
なんで……?
手が震え始める。