鈴姫伝説







これは……。




鈴姫が言っていた……。




千の中に二人の人が宿っている証拠!






千はフラフラと、引き寄せられるように、女神に寄っていく。





「行かないで!」





彼を止めようと伸ばした手は虚しく宙を切って……。






「捕らえよ!」





女神の命令に、後ろに控えていた手下二人があたしの元へとすさまじい速さで向かってくる。




ダメ!




ここで負けたら、全てがムダになる!




ボロボロに崩れそうな心を必死に繋ぎ止めた。





「はあっ!」




捕らえられる直前で、あたしは高く飛び上がる。




この部屋は天井も高いから、ぶつかることはない。





そのまま宙返りをして、天井にあった太いシャンデリアの飾りに止まった。




< 384 / 511 >

この作品をシェア

pagetop