鈴姫伝説
あたしを……殺そうとしているの?
あたしと、あたしのお母様のせいで……。
そんなにあたしたちを恨んでいたんだね。
「けれど、思い出したんだ。
あの鈴のことを……」
あの鈴……。
それって……ううん。
言わなくてもわかってる。
自然にあたしは、左手を触っていた。
チャリ……と、鉄が擦れあう音が響いた。
「伝説の……鈴……」
あたしがポロリと言葉をこぼすと、女神はニンマリと微笑んだ。
ゾクリ、と背筋が凍った。
あのとき、あたしは自らを犠牲にしてまで伝説の鈴を守った。
それほどの強大な力を持つ鈴。