鈴姫伝説
「くっ……!」
しかし、周りの手下たちがジャマをして、女神にかすり傷すら付けられない。
「大体!
伝説の鈴を手に入れてどうするのよ!」
大理石の床で弾みをつけて、再び宙へと浮かび上がる。
そのまま、靴のヒールで女神の後頭部を狙った。
「えっ、きゃあああぁぁぁ!!」
-バチバチバチバチッッ!
けれど振り向いた女神は雷を放った。
それはあたしを直撃。
足の先から頭の先へと痛みが駆け抜ける。
「けほっ……!」
あたしは冷たい大理石の上に転がった。
足が、手が……痺れる。
うまく、動かない……。
なんとか、立ち上がっても、頭がぼおっとして身体もフラフラ。
「千……」
霞む視界の中で、必死に彼の姿を探す。
一緒に……帰るの……。
視界の隅で、女神が鼻で笑うのが聞こえた。