鈴姫伝説
「千が好きだからよ」
「え……?」
あたしは思わず、動きを止めた。
女神の後ろで動かなかった千も、驚いた表情をしている。
「ど……うして……?」
声がかすれて、すんなりと出てきてくれなかった。
この人が千を好き?
あたしと、一緒!?
「フフッ」
勝ち誇ったように、女神は笑った。
「千は……千尋に似てる。
とても……。
わたくしが好きになったときの彼に……」
とても懐かしそうに、愛しそうに、後ろにいた千を女神は見つめる。
「わたくしはずっと、昔から、千が好きだったの。
なのに……千はお前と……ッ!」
あ……。
千とあたしは恋人同士だった……。