鈴姫伝説
女神の雷の攻撃を避けて、あたしは千に向かって叫ぶ。
「千!
わかったでしょ?
あなたは騙されて利用されてるだけ。
だから、あたしと一緒に帰ろう!?」
「生意気な……!」
「ッッ!」
油断していたあたしの身体を、紅い雷が襲った。
なのに……。
また、痛くない。
雷はあたしの身体から数センチメートル前で押し止められていた。
身体が熱い……。
これは、艶のおかげだ……。
左手のブレスレットについた白い鈴が、灼熱のように感じた。
そのとき、視界の隅に、千の風を切って走る姿が映った。
ヤバイ……!
忘れてた……。
今の千は別人なのに……!
「わ……」
言葉を発しかけた時には、千はあたしの目の前に立っていた。